ほんとうに久々に、何年ぶりかで新宿伊勢丹の手品売り場に行ってみました。
自分のマジックの原点みたいなところで、以前書きましたが、13歳の僕はここでテンヨーのディーラー(実演してマジック商品を販売する人)野原さんのマジックに陶酔してマジックを始めたわけです。
今も、ここの売り場のディーラーさんはしっかりしてて、小さな子供らに次々とマジックを披露し、売り込むことの前にマジックへの興味を高めるという努力をしていらっしゃいました。
観客は5~6才のお嬢ちゃんなんだけど、見せている演技にLennart Greenの必殺のカードディールがあったりで、「おおっ、手抜き無しだぁ」なんて思いながら同時に、こういう技術は「優しい観客を対象に練習モードかぁ」なんて勘ぐったりしていました。
でも、横から割り込んできた若者からの質問にもしっかり応じていたし、プロでしたね。
どうして新宿伊勢丹には、この「手品を丁寧に販売する」という姿勢が継承されているのかわかりませんが、おそらくここで手品を買った人は「あー、出来もしない道具買わされた」という、もしかしたら私の世代の経験としてある、学校帰りの校門のところでインチキ手品売ってるオッサンに騙されて悔しい思いをした・・・なんて経験はしないでしょうね。別に伊勢丹やテンヨーのまわし者ではないですが。
僕も、「不思議な子犬」という名前だったか、スポンジ製の子犬が自分の手からお客の手に移動してしまうというマジックを買って、やり方がわからなかった時に、売り場に行くとやり方と丁寧に教えてくれたのが、当時の野原さんでした。
凄く簡単なやり方で演技できてしまう方法を教えてくれたんです。
商品としての手品って、買って、演じて、他人を喜ばせてナンボのものなのに、演じることの伝承が結構難しい。そのギャップを埋める役割として、ディーラーという存在があるのでしょうね。最近の玩具売り場では、マジックを演じるビデオだけが流されているところもありますが、やはり人から人へ、一人でも多くの人にマジックを演じる楽しさを伝承する仕事として、ディーラー諸兄に敬意を表します。