スライハンド(仕掛けが無くテクニックだけで演じる)カードマジックのことで少々。
中学生でマジックの練習を始めた時に使っていたのは、ブリッジサイズのカード。
で、これで一通り技術を修得して「得意、得意」になっていたら、マニアの師匠から「カードマジックはポーカーサイズを使うべし!」とのアドバイス。
ブリッジサイズとポーカーサイズでは、カードの横幅がポーカーサイズに比べて5mmほど短く、日本でよく「ディズニートランプ」とか花札と並べられて販売されている家庭向けのサイズ。 なので、このサイズを使用していることに何の疑いも無かったのです。
ポーカーサイズを使用する理由は第一にカードが大きいので「見栄え」がいい。確かにこれは否定できません。
第二として言われたのは、小さいカードで練習を積んでいると技術が伸びない、パーム(手のひらにカードを隠すこと)などに苦手意識が芽生える。他人の(ポーカーサイズ)カードを借りて演じることができない。要は大は小を兼ねる。
米国の○○氏は凄く手が小さいけど、苦も無くポーカーサイズを扱う、素晴らしい、等々。
この時は迷い無く、ポーカーサイズに転じて「よし、俺もひとつ進歩した!」と思ったものです。
でも、最近そうも思わないんですよ。自分は比較的手が大きく指も長い方だから慣れれば苦にはならなかったけど、ちょっと手が小さい人にはブリッジサイズの方が楽だろうなぁ、と。
そんなことを考えるキッカケは、ピアノとバイオリンの比較なんです。
バイオリンが子供用から大人用まで手の大きさに合わせた楽器のサイズがあるので、子供でも楽に扱えるため、天才も発掘されやすい、と。
一方ピアノはあのデカさの楽器で、子供でも大人と同じ物理的条件の楽器を扱わなければならない。指も小さいからオクターブ奏法なんて凄くきついし、仮に凄い感性を持った天才少年少女がいても、物理的(肉体的)制約から諦めてしまったり、その感性が表現できずに凡庸に終わる危険性もある、と。
マジックも、確かに見栄えの違いはあるのだろうけど、先ずは演じてナンボ。演ずる楽しみを知ることが先決だと思うんですよ。特にスライハンド系は失敗を恐れるプレッシャーが少ないに越したことはない。そう考えるとブリッジサイズでいいじゃないですか。入門用と割り切って。
トリックカード(仕掛けのあるカード)の多くが昔は(今も?)ブリッジサイズが主流で販売されていたことを考えると、やはり入門用という位置付けなんだろうなぁ。これからカードマジックを学ぼうとする人が、最初にポーカーサイズを扱うのに苦しいようなら、迷わずブリッジサイズで練習することをお勧めしますね。